萬寿鏡 特別純米酒
新潟の酒というと、前回、前々回の地酒ブームの立役者。偽者商品が出回ったほど、ヒートアップしました。
越の寒梅、久保田、八海山が代表的な銘柄。ディスカウントショップで10000円なんて値段がついてたりしました。今の森伊蔵や佐藤のように。。
その時のいい日本酒のイメージは、飲みやすい=端麗辛口でした。よってなんとなく、私は新潟の酒は、飲みやすい=端麗辛口→水みたいな酒→料理には負けちゃううだろう、という偏見をもっていました。
萬寿鏡(マスカガミ)。。
そもそもこの名前自体、いかにも端麗辛口ですよ~という感じでしょ。
「鏡」ですから、キラッキラっとしてますもん。渓流に、色白の若く純粋な乙女が、顔を写して、さっぱり、綺麗に、マスカガミという感じ、、、
失礼、妄想が過ぎました。
というイメージなので、口に入れるとき、すでに、鼻と舌がそういう酒が入る準備をしています。
香りはというと、、、
びっくりです。完全に妄想を覆されました。色白の乙女は遠くに飛んでいきました。
すごい香り。ヘーゼルナッツのような、香ばしいような甘いような香り、すこしオイリーなニュアンスもある。
色白の乙女の代わりに、室井佑月さんが現れてきました。
すみません、許してください。これ以上、責めないでください。。。という感じ。(?)
口に入れると、ドーーンとくるかと思いきや、、丸い。味わい全体が丸く、旨みにあふれている。口の内ほほが笑っちゃうぐらい平和な旨みが広がる。おお、意外とやさしいんですね~。
と油断をしていると、なんだか、唾液腺が騒いでいます。ジリジリとキメの細かい酸が攻め寄ってきます。そして、直後に渋味が「あらよ」っとやってきます。
小股が切れ上がるというのでしょうか、最後パキっとキレます。
いなせな旦那が、風呂上りに手ぬぐいでパシと肩を叩くような感じで、、
イメージが固定されていただけに、完全に揺り動かされて、味の主導権を奪われてしまいました。。
そこで、再度、仕切りなおして、飲んでみると。。
いい酒ですね。色々な味のエッジが聞いているのに、全体が旨みで調和されていて、次の一杯と料理を誘う。
赤身の肉もいけるし、フォンドボー系のソースでもいける。酸と渋味が利いているから、揚げ物もいけそうだし。。。
この蔵元さん。ホームページ見ましたが、色々なシーンに合わせて酒を楽しんでもらいたいというポリシー。特に料理との相性に気を使っているようで、料理とあわせるために敢えて香りを抑えた純米吟醸や、一人の晩酌のための酒や、熟成酒などを造っている。
かと思えば、ワインのボトルのかわいいやつとか、鏡餅の形の酒ともあって、面白い蔵元。
カリフォルニアのロバートモンダヴィのような多様性のある戦略です。
あと普通酒も60%精米で造っていて、賞賛される酒を造るのではなくて、普通に飲む酒を旨くしたいという想いをひしひしと感じますね。
精米へのこだわりのところで、私は今まで誤解していたことを教えてもらいました。
米を削るということは、雑味を取るということだとは理解していたのですが、私はその結果、味わいがさっぱりするものだと思い込んでいました。さっぱり、クリアにさせるために米を磨くものだと。このサイトによると、旨みを多くするために削るということらしい。
なるほど、この酒の全体の味を調和させ、丸くつつんでいた品の良い旨みは、精米によってできたんでしょうね。
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