2006年5月23日 (火)

プロジェクト

上の娘は、習い事と勉強と学校行事の係の仕事など、忙しくもパキパキこなしていくのだが、下の娘は、この辺が苦手。

上の娘は、朝から、勉強、バトンの練習、お祈り、読書を、時間を区切りスケジュールどおりにすすめていく。

下の娘は、寝起きから遅れ、勉強が遅れ、バトンの練習の時間がなくなり、お祈りもそこそこに、出かけていく。

タスクの量は、明らかに上の娘の方が多くて、忙しいのだが、忘れ物が多いのは下の娘の方。

なのに、おそらく、上の娘は忙しいとは思っていなく、下の娘の方が「自分は忙しくて嫌だな」と思っているのではないかと思う。

この二人を見ていると、「忙しい」か「忙しくないか」というのは、単にタスクの量の問題ではなく、自分で時間をコントロールできているかどうかいうことなのだろうと改めて気付かされます。(かくいう私もどちらかといえば下の娘タイプなのですが。。。)

とはいってもこのままではいけないだろうということで、「下の娘改革プロジェクト」を開始。登校前の時間割りを当人に企画してもらい、上の娘がチェック表を作成し、毎日、終了タスクごとにくまさんのスタンプを押す。家内は、なるべく口だししないようにする。(ここが難関!)週に一度、私が進捗をチェックする。というフローです。

本人の意思と、回りの協力で、改革が実現できるかどうか。

これは、私にとっても非常に興味深い実験なので、定点で観測し、今後経過を報告していこうと思います。

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2006年5月21日 (日)

モルトと魚料理とのマリアージュ

昨日、わが社の料理長ミーティングにて、「モルトと和の魚料理とのマリアージュ」という題目のコンペを行ないました。

ゲスト審査員にサントリーさんの三鍋部長様(モルトのブレンダー畑一筋の方で、ボウモアのブレンドのもやられていた方)をお招きし、モルトの歴史と楽しみ方を伺いつつの非常に価値あるイベントとなりました。

「モルトはビールを父に、ワインを母に(逆でしたかな)もった酒なんです。」という三鍋部長の言葉が今回のマリアージュのテーマのすべてを語っていたように思えます。

ウィスキーというと、これまた、以前の日本酒のイメージのように、個性としては、どれも同じ。ニッカであろうが、オーシャンであろうが、サントリーであろうが、基本的には同じ。せいぜい価格帯によって「飲みやすい」か、「飲みにくい」という差があるくらい。

「おーいい酒はやっぱり飲みやすいねー。」なんて、銀座の西五番街あたりのクラブと書いたスナックで話す、物知り顔のオジサンたちの顔が目に浮かびます。

ま、大体ウィスキーというのは、そういうイメージで、味についても、そういう平たい、いかに平たいかという「スムース」なんていいますけど、そんな価値感しかなかったように思います。ちょうど、いい日本酒が「水の如し」であったのと同じように。。

しかし、今回のコンペで色々なことがわかりました。

ひとつは料理とともに味わうことでモルトの個性が際立つこと。

それぞれの料理長が、あわせるモルトの個性をきちんとキャッチして、ソースやスパイスに反映してくれました。これによって、それぞれのモルトの個性が、さらに際立ってきました。

「口の中でモルトの個性が爆発する」という三鍋部長の言葉とおり。

例えば、この店の店長が作った

「つぶ貝と根セロリの味噌グレンフィディックソース 甘酢茗荷添え」

吟醸酒のようなグレンフィディックのフルーティーな味わいとシャープな苦味、ほどよい塩味、そしてモルティ&ウッディな味わいに、フルーティさには甘酢、苦味には茗荷、根セロリ、塩味には、つぶ貝、モルティ&ウッディには味噌と酒を構成するすべての要素に食材やソースが呼応し、【爆発】、「今自分はグレンフィディックという酒を精一杯楽しんでいる」ということを実感できる体験でした。シャンパンやシェリーで料理を楽しむのと同じ感覚で楽しめました。

もうひとつは「ソーダでわるのと水で割るのでは酒が変わる」ということ。

ソーダ割りと水割りこれは、全く別の酒。「ソーダ割りにされますか、水割りにされますか」なんて軽い話ではない。日本酒でいえば、ぬる燗と冷、ワインでいえば、シャルドネとソービニヨンブランくらい変わります。

「串自体をモルトでマリネし、スモークする」という画期的なテクで、皆を驚かせた、この店の料理長で、かつ総料理長の作った

「穴子とアボガドのブロシェット モルトスモークピック」

は、料理に使用したシェリーと、山崎12年にマリネ&スモークした串からくる、甘くもスモーキーな香りと穴子とアボガドの組み合わせから、くるオイリーで、リッチな、味わい。そして、隠し味に仕込まれた山葵、醤油といった和のニュアンスは、ジャパニーズウイスキー山崎のリッチな個性を大いに盛りたてました。

この料理にはもちろん山崎12年を合わせたのですが、最初水割りで合わせていたところ、三鍋部長から、ソーダのほうがおもしろいというアドバイスをいただき、ソーダ割りで試したところ、、、

「山崎が爆発」

水割りの時は、アオボガドのオイリーにコーティングされているかのように閉じていた山崎の個性は、ソーダ割りにすることで、そのガスに乗っかってパンとはじけ、アボガドと穴子の味わいの中に、浸透していく感じでした。「息を吹き返した」という印象でした。

さらに、モルトの種類によって料理との相性もかなり変わるということ。

サントリー賞をいただいたこの店の料理長が作った

「的鯛と帆立のカダイフ包み 味噌とドライフルーツのソース」と山崎のマリアージュでは、モルトの種類によって相性も変わることも体験できました。

味噌ドライフルーツソースによる山崎のフルーティーさ、甘さ、ウッディの強調。穴子のマリアージュで魅せた山崎の個性とは、また違う面の「甘くゴージャスな個性」が楽しめました。また、的鯛や帆立といった丸い旨みの魚介類との相性も抜群でした。

が、これをボウモアで味わうと、、これが合わない。

ボウモアの個性であるタンニン、ヨード香の強いピート香が、ソースの甘リッチ感と反発してしまう感じになってしまうのです。

今まで、ウイスキーの個性をどれだけ無視してきたか、恥ずかしながら思い知らされたと同時に、うちの料理長達の酒の個性の感じ方、そして料理への表現の力が、いかに高いかも(ここにあげた料理以外もすべて考えつくされた味わいでした)思い知らされた1日となりました。

人間、知った気になっているのがいかに愚かで、損なのかということを心して、肝に銘じ、今後とも、酒食の楽しみを提供できるよう、皆でがんばっていきたいと思います。

ps 本日発刊の東京カレンダーにモルトと料理のマリアージュ特集として、この店が紹介されます。

事前にご連絡いただければ、ここの料理長の受賞作品「穴子とアボガドのブロシェット モルトスモークピック」と、同じく受賞した、ここの姉妹店の料理長がつくった「つぶ貝と根セロリの味噌グレンフィディックソース 甘酢茗荷添え」もご用意いたします。

この情熱のモルト&ブロシェットのマリアージュをお楽しみください。

最後にサントリー㈱の三鍋部長、粉川さん、お休みのところ、本当にありがとうございました。

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2006年4月 4日 (火)

ホテル

リッツカールトンなど感動的なサービスで有名なホテルは数多くあります。
この本などは非常によく書かれていて、「サービスとは何ぞや」というところを実例を
用いて説明しており、まさにサービスの啓蒙本ともいうべきものです。

また、副作用として、サービス産業に就いている人たちや、サービス産業には就いていないが、例えばそういう事業を始めようとする事業家や、そういう事業に投資しようとする投資家に、ここまで書かれていると一度はいってみたいと思わせる広告効果もあるわけです。

本を読んでいくととホテル側の細かい気遣いの成り立ちや、ストーリーなどを予めインプットされていますので、普通にふらっと行ったら、気付かないような細かいところも気付いてしまうわけです。
そして、ふらっと行くよりも、「やはり、リッツはすばらしいなー」という印象を確実に植え込んで帰ります。

人間、自分で実感したもの、しかも、恐らく自分しかしらないだろうという「自分で気付いた」と思い込んでいることについては、恐らく自慢という心でしょうが、「人に伝えたい!」という想いを強くします。
こうすると、本の効果は、その販売価格以上の効果を発揮します。
その人は本も友人にすすめますが、同時に「自分しか気付かない」サービスについて熱く語り、パワフルな口コミを生み出します。

ポイントは、「自分で気付いた」と思わせる点です。

自発的な自己表現の形として、「造る」「書く」「描く」などどいう直接的な造形の作業が一般的ですが、現世のような高度情報社会においては、「気付く」「構成する」「選ぶ」といった比較的軽い判断も、個人にとっては自己表現の具現といえる。

そう考えると、このリッツの本は、一連のリッツのサービス戦略の一片と捉えることができます。つまり、より、お客さんがリッツのサービスを深く味わえるようなディレクションを担っているということです。

演劇や、映画のパンフレットには、そのストーリーが生まれた歴史的背景や、役作りの苦労、撮影現場でのトラブル、監督の素顔、役者たち同士の深い友情と尊敬の念といったものが書かれています。
観客は、別に強制されているわけではないが、舞台が始まる数十分の間、このパンフレットに目をとうして、新しい情報を仕入れます。そして、その舞台の見所をインプットした上で、舞台を鑑賞します。

この本は、このパンフレットの役割を果たしています。

ようやく本業の話に戻りますが、飲食店のパンフレットやホームページも、この本と同じ役割を担います。
ので、店名と電話と住所と地図とクーポンが載っていれば良いという類のものではありません。
その店が出来たストーリー、メニュー全体を構成するポリシー、役者であるそれぞれのアイテムの特徴、そのアイテムたちが、どう振る舞い、テーブルを楽しませてくれるのか、舞台装置である店内はどういうところに気を使っているのか、「見どころ、感じどころ、食べどころ、飲みどころ」がどこなのか、これがわかるようにしておきます。
そして、お客様が、自らの意思でこれにアクセスするにはどうしたらよいかを考えます。

このテクニックは、恋愛と一緒。
いくら好きだからといって直球で告白すれば、引かれ、振られることが多い。
相手に自分に興味を持ってもらえるように最大限の努力をするが、

最後は、相手に告白させる。

そのとき、相手は満足する。

それは「私がこの人を選んだ」と思うから。

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